健康と日々の徒然~Anのひとりごと

心と体の健康を大切にしたい方へ贈るひとりごと

針にまつわる怖いはなし~冷や汗無しでは語れないナースの仕事

新人ナースは針を指すのが怖い、と感じることが多い。ナースと針は切っても切れない、深い関係にあります。ベテランナースだって、ちょっと人には言えないことを、一つや二つ抱えている。

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これであなたも針刺しの達人ナースに!

採血用の針をうまく刺せず、何度も刺して痛い思いをさせてしまったり、アザになってしまった。それがさらに苦手意識につながって… 

最初は誰でも一緒。いろいろな経験を通して、技術が向上し、知識が増えていく。以下の2つの針にまつわるはなしを読めば、すっと気が軽くなって、針刺しへの苦手意識も消えますよ。

「そこ」はみないこと

注射で、そこに刺してはダメ、と意識すると…何故かそこに意識が集中して、ドンピシャ針がささる。こんな経験ありますよね。

ダメ、と思えば思うほどそこに行ってしまう。ダメな「そこ」は見ちゃいけません。

 

新人ナースに課された試練

なりたてほやほやで、注射が怖かった頃です。急患で入院してきた「や」の方が、痛みをこらえ切れずあまりにも騒ぐので、鎮痛剤の注射をすることになりました。

指示されて注射の準備をし病室に行くと、彼はものすごい形相です。「早くやってくれ!」と入院服の片袖を脱ぎ、まるで「遠山の金さん」、しかもその肩から腕にかけては昇り龍のモンモンが!

 

一体どこに針を刺せばいい?
注射を打つのに、彫り物の入っていない場所を、必死に探しました。しかし、一面の彫り物、さらに注射するべき上腕部には頭の部分があり、さらに、さらに、そこには真っ赤な目が。

片袖を脱いでいなければ、おしりに打つことも出来たのですが、とてもそんなことを言える空気ではありません。

 

龍の目に赤い涙が一筋

覚悟を決めて、平静を装い、上腕部左に打つことにしました。目には打つな、目だけはだめ、焦るな…

針先は、目のどまんなかに吸い込まれていく。真っ赤な目から、赤い血がにじむように流れて来て。


付き添ってきた、かなり派手目な女性と、サングラスをかけた彼は、じっと私の手元を見つめていました。

 

無事終わりはしたけれど…
頭が真っ白になり、何故か「龍の目に涙ですね」なんて言ってしまった私。その後の事は覚えていません。その2人はとても紳士的で、嫌な思いはしませんでしたが、その時の恐怖は今でも忘れられない。

 

「あっちに行ったらどうしよう」、はろくなことがない

そこに刺しちゃダメ、と思ったら「そこ」は見ないこと。人生すべて「あっちに行ったらどうしよう」と悪いことを考えながらやると、ろくな事になりません。自分が進むべき方向だけを見て、マイペースで。

もし、今度モンモンの方がいらしたら、今度は「おしりに打ちまあす」って言えるかな。

 

振り返ると恥ずかしい、点滴にまつわるはなし2題

点滴の指示が出た時は終わるまで目が離せません。症状の変化や、針がずれて漏れていないかなど、1~2時間、定期的に確認する必要が有ります。

 

逆流してた!

救急車で来た患者さんに2本の点滴の指示!えっ、そんなことやったこと無いし、つなぐルートがたくさんあって、わけわからないのに。

なんとかセットして、患者さんに針をいれ、テープで固定。ヤレヤレと一息つき、アンプルを確認してカルテ処理。患者さんの様子を見に行くと、なんか変。1つの点滴は正常に落ちているけれど、もう一つのほうが減るどころか増えている!

針はちゃんと入っているし、あちこちいじってみたけれど変化なし。

病棟のナースにSOS
患者さんに何かあったら困ります。というのを言い訳にして、申し訳ないけれど、病棟のナースに来てもらいました。「またあなた?」という顔をされましたが、ちょっと見ると「針が入っていないわね」と言い、さっと針を刺して行ってしまいました。

すみません。毎度毎度、助けてもらって、ご迷惑をお掛けしています。

 

トンボではなくもっと怖いサーフロー

入院患者さんの点滴には、外来で使うトンボ針ではなく、サーフローという針を使います。これが長いんです。シリコンチューブの中に針が入っていて、刺した後、そのチューブのみを残して、針は撤去。

血管に刺したまま数日間使用できるので、患者さんに針を指す回数を減らし、動作制限も少なくなります。

 

マーフィーの法則
注射自体が怖いのに、このサーフローはもっと怖い。できれば誰かがやってくれることを願っているのですが。

嫌だ嫌だ、と思っていることに限って回ってくる。

やっぱりサーフローの指示がでました!常勤の先生で、私がまだ慣れていないことを知っていたので、「先生、やって」と可愛らしくささやいてみたのですが。


患者さんも怖かった
「それだから、いつまでたってもできるようにならないんだよ!」と一括されて…

やらなきゃいけないのは分かっています。でも、怖いんだもの。と言っても、やるしかありません。大きく深呼吸して、患者さんの腕を凝視して、よし、入った!

私も怖かったけれど、患者さんはもっと怖かったことでしょう。今更ですが、ごめんなさい。

 

まとめ

ナースの仕事、といえば「注射や点滴をしている」というイメージが強いですが、「えっ!、こんなことまで」、とびっくりするくらい、とにかくいろいろなことをしています。

勿論、患者さんに針を指すことは頻繁にあり、最初はとにかく怖い。

 

ナースは度胸!
しかし、避けては通れない仕事ですから、慣れて上手にならなければ、患者さんに痛い思いや、不愉快な思いをさせてしまいます。失敗はしないに越したことはありませんが、経験を積むことで度胸(笑)も出てくる。

振り返れば笑い話になりそうですが、当時は本当に悩んでいたんですよ。

「こんな事もあるんだ。」ってドジな私の経験を読んで安心してくださいね。
「Anのひとりごと」~今日も1ページ